パタゴニアの環境キャンペーン「フリーダム・トゥ・ローム」は野生動物の生息地をつなぐ「コリドー(野生の回廊)」の設立、回復、保護を目指しています。
本年度、パタゴニアは環境に影響されやすい動物が直面している気候変動の脅威に焦点を当てます。温暖化が進む地球でこれらの動物が生き延びることができるよう、私たちの活動にぜひご参加ください。
野生動物の多くはすでに気候変動の影響に直面しています。こうした動物たちが存続できるかどうかは、変化をつづける生息地を自由に移動できるかどうかにかかっています。私たちが野生の土地を守り、生息地をつなぐコリドーを設立して保護すれば、適切な生息地への移動が可能になり存続の機会が生まれます。
<The Yellowstone to Yukon Conservation Initiative>のエグゼクティブ・ディレクターであるロブ・バフラーは語ります。「大規模な緑地の保護とその連結は、生物多様性を気候変動に順応させるための屈指の手段であると、世界で広く認められている」
それぞれの動物が気候変動から受ける影響は異なります。
サケ
サケの主要なコリドーであるコロンビア・リバーとスネーク・リバーは、サケを源流に帰し、源流の流れと水温を調整して成魚と幼魚の減少を防ぐ役割を果たします。しかしながら両川とも連なるダムが原因で劣化してしまいました。にもかかわらずこれらのダムはもはや採算が合わず、ただサケに害をもたらすばかりです。この20年でダム撤去に対する支持者は増えつづけ、サケの生息数を回復させる最善の方法として、スネーク・リバー下流の4つのダム撤去を実現させました。
クズリ
非常に攻撃的な補食動物のクズリは、その起源が氷河時代にまで遡ります。冬は深雪に、夏でも暑くなりすぎないような場所に生息し、妊娠中のクズリは出産のためにさらに高度な深雪の場所をねぐらとします。ホッキョクグマほどに真っ白な生まれたての子クズリは、母クズリが餌を探しのためにねぐらを離れているあいだ、保温の役割を果たす深い雪が必要なのです。気候変動により気温が上昇して積雪が減少しても、コリドーがあれば雌クズリは雪のねぐらに適した高度の雪深い場所へと移動できます。また他の動物を捕獲するための罠がない保護区も必要です。現在、地続きのアメリカに残るクズリの生息数はごくわずかです。クズリの現状については「傷つきやすい最強のワル」をお読みください。
オナガガモ
鳥は翼下に広がる陸地の変化には影響を受けないと思われがちですが、渡り鳥にも渡りの際の休憩や燃料補給のための場所が必要です。オナガガモはアラスカからコロラドへと南下し、中西部北部から五大湖を通過して東に向かってカナダ東部に渡ります。1970年代以来、オナガガモの生息数は補食動物や水不足、農地開拓、汚染、都市の発達により半減してしまいました。
気候変動はオナガガモにさらなる脅威をもたらします。オナガガモのほとんどがグレートプレインズ・プレーリー・ポットホール地帯の湿地に巣を持ちますが、この地方はすでに旱魃の被害に見舞われており、気候変動によりその旱魃がさらに悪化すれば、常時水のない状態がつづくことになるでしょう。オナガガモのコリドー設立のためには、プレーリー・ポットホール地帯東部にひろがる旱魃状態の湿地の回復が必須です。
<野生のコリドーと気候変動に関するアクション・センター>は、危機に直面する野生動物の保護についての情報を提供してくれます。
(写真上) グログロ、スカンク・ベア、カルカジューなど、クズリはたくさんの名前を持つ驚嘆すべき生き物
写真: Daniel J. Cox
(写真中) 繁殖色になっている産卵期のベニザケ (学名:Oncorhynchus nerka)。アラスカ州プリンスウイリアムス海峡
写真: National Geographic / Hiroya Minakuchi
(写真下) オナガガモ (学名: Anas acuta)
写真: National Geographic / Hans Dekker










