工場を選ぶ基準は何ですか。
品質、ビジネス要因(技術力、技能、立地条件、カスタマーサービス、納期の厳守)、環境および社会面の実績、これらいずれもが選択基準の項目となります。
品質は工場を決める際の第1の基準で、価格はその重要な一部です。つまり要求する品質レベルを満たす2つの工場から選択する場合、より低い価格を提示する工場を信頼できると確信した場合は、その工場を選ぶことがあります。これは繊維の選択、素材製造から縫製まですべての調達についての意思決定に共通します。第2の基準は環境への影響をより削減できるかどうかという重要な点です。品質を犠牲にすることなく環境への影響を削減できるならそうします。これによって価格が犠牲になる場合は、ケースバイケースですが、売り上げを犠牲にしても環境を重視する決定も頻繁に行います。
どの項目においてもパタゴニアの高い最低水準に満たない場合は自動的に考慮の対象から外れます。社会的実績を評価する際は、工場がパタゴニアの行動規範の基準に達する-あるいは越えているか、そして工場経営者がパタゴニアと協力して不十分な分野を改善する意思があるかの2点を重視しています。
工場とはどれくらい連絡を取り合っていますか。
製品デザイナーや製品開発者、製造担当者はつねに工場とe-mailでコミュニケーションを取り、開発と製品の検査のために頻繁に工場を訪れます。さらに品質保証チームは工場が製品を出荷する前に製品検査を行います。
パタゴニア製品はどこで製造されているのですか。
新製品開発の際、パタゴニアは高品質を提供するための十分な技能と施設を備え、より低価格で納期を遵守し、環境への影響を最小限にとどめ、従業員に公正な待遇を与える工場を世界各国から探します。私たちの製品は中国、タイ、ベトナム、日本、トルコ、ポルトガル、メキシコ、コスタリカ、コロンビア、エルサルバドル、イスラエル、フィリピン、そしてアメリカで生産しています。
なぜアメリカでもっと多数の製品を製造しないのですか。
熟練した労働者と低い製造コストを世界を股にかけて探し求めた結果、アメリカの衣料品製造産業はほぼ完全に衰退してしまいました。アメリカの衣料品製造工場は、全盛期でさえパタゴニアの最も機能性の高い製品を製造する専門技術を持っていなかったのです。したがってアメリカで製造しているパタゴニア製品は、どちらかといえばベーシックなスタイルの、数少ない製品に限られています。
衣料品製造産業がここまで衰え、それに付随した高品質の縫製業者が激減する以前、一時は約半分の製品をアメリカで調達していました。しかしパタゴニアは「アメリカ製」の会社ではなく、また国内だけでビジネスをしてきたわけでもありません。最初から日本やヨーロッパなどでビジネスをしてきましたし、お客様にとって「アメリカ製」であることは特別な美徳でもありませんでした。さらにはもともとビジネス発祥の温床であった登山というカルチャーは、少数の貧困なクライマーから成されていましたが、彼らは決定的に国際化していました。登山のために安い航空券で世界を旅し、友人の家にごろ寝していたのです。したがって、私たちはみなアメリカ国民であるとともに世界国民であると考える傾向にあったのです。
なぜパタゴニアは中国のような人権および環境面で問題のある国で製品を製造するのですか。
中国を含むパタゴニア製品を製造する国のなかには、環境と労働者の権利について違反あるいは不安定な実績を持った国もあります。アメリカでの実績はそれよりはましですが、ヨーロッパや日本に比べると劣ります。パタゴニアはある国をその政策に基づいて排除しないという道を選択しました。なぜなら賢い工場選びとそうした工場と建設的に関与することによって、変革を促すことができると信じているからです。
パタゴニアだけでは取引をする国の労働文化や政府の政策を変えることはできません。そのためパタゴニアが取引する工場を使う他のブランドと協力し、さらにNGOやその他の組織と組んで労働環境の向上のために努力しています。
パタゴニアは低価格を求めて国から国へと取引先を変えつづけるのですか。
パタゴニアがビジネスを始めて以来、最高の縫製技能は香港から中国へと移り、それはいま、より低価格のタイやベトナムへと移行しています。これらの国より労働コストの安い国はあります。しかしパタゴニアは品質の高い仕事を適正な環境水準と労働環境で行うことを保証できる工場とのみ取引しています。
パタゴニアの製品の製造には児童労働がなされていますか。
パタゴニアの職場行動規範は、各工場がそれぞれの国の労働法を遵守しなければならないことを明白に規定しています。また国際労働組織に基づき、パタゴニアの行動規範はいかなる製造国においても年齢が15歳を下まわる者の雇用を禁じています。
家計収入に貢献するために青少年の労働が奨励されている国が多くありますが、青少年を酷使から保護するために、その労働内容は規制されています。
工場がパタゴニアの職場行動規範の遵守に違反をしていたらどうしますか。
パタゴニアでは専門の第三者監査機関を利用して社会監査を実施しています。これらの監査機関は、行動規範の要件に対して工場が遵守している状況の概要を報告書としてまとめ、パタゴニアのソーシャル・レスポンシビリティ・マネージャーに提出します。マネージャーは必要に応じて是正のための行動計画を工場と協力して作成します。計画書には問題点と是正措置が列挙され、行動規範への遵守に向けた具体的なスケジュールが組まれます。この段階で欠陥をみずからの問題として捉え、それらの欠陥を是正することがビジネスにとってプラスであることを受け入れることが工場の責務です。
パタゴニアの職場行動規範の遵守違反が認められた工場と、ビジネスの関係を絶つことはありますか。
はい、あります。けれども私たちのプログラムの目的は、労働者の権利を保護/向上させることにあるので、社会的問題を是正し、より良い経営手法を普及させるために工場と協働するのが私たちのやり方です。工場の顧客であれば私たちは彼らに前向きな影響を及ぼすことができますが、部外者となってしまえばほとんど、あるいは何の影響も与えられません。さらにFLAは、サプライヤーが改善に向けて取り組む姿勢を見せない場合を除いて、遵守違反をしたサプライヤーを「解雇」することは勧めていません。工場をそのまま放置すれば職場環境はさらに悪化し、一時解雇をもたらす結果にもなり得るからです。それでも最終的に工場が改善に同意しない、あるいはパタゴニアの要求条件に満たない場合は取引を終結することになります。
なぜパタゴニアは契約工場リストを発行するのですか。
パタゴニアはNGO、顧客そして他の投資者のために契約工場のリストを公開しています。私たちの工場と、同じように契約をしている他のブランドの声を聞き、その工場を利用する他企業とコミュニケーションを図って、監査や社会的/環境的責任を遂行するための解決策を導入したいと考えています。他社と協力することで監査の負担を軽減し、より多くの労力を労働条件の改善に割り当てることが目標です。
より多くのブランドが企業の社会的責任に関する取り組みについて発言するようになれば、サプライヤーは社会的責任がビジネスの一環であるという認識をより高めるでしょう。全ブランドが一貫したメッセージを送りつづけることにより、企業の社会的責任を推進することができるのです。